2018/11/22 18:08

近年、溶けないアイスが話題になっていますが、「京都・本くず氷」も溶けないアイスです。
素材に「吉野葛本舗 黒川本家」の吉野本葛を使用している為、溶けにくく、溶けても垂れずらいのが特徴です。

黒川本家の本葛とは・・・
冬の身を切るような激寒の中で始まります。
山方と呼ばれる葛堀り専門の職人たちが山奥より掘り起こしてきた葛根を砕き清廉な井戸水を使って桶でひたすら清めていく「吉野晒し」という作業を、十日間で五回ほど繰り返します。清められた葛は次第に純白の澱粉となり沈殿していきます。
次にこうして桶に残った生葛を切り出し、小割にして乾燥させます。純白に輝く葛から水分が抜けていく光景はなんとも美しいもの。表面が乾くと、約二か月間、自然の風が通る倉庫で乾燥させて、本葛粉が完成します。葛精製には空気も水も冷たいほど良く、本物の味をつくり出すために三〇〇年前より使用し続けている井戸水、そして創業以来ほとんど変わらない工程が、純白であたかも結晶のような美しさを誇る本葛粉をつくります。
葛根から取れる量が僅かなことから、その貴重さゆえ、本葛は「白いダイヤ」と表現されることもあります。


葛はマメ科の蔓性多年草で秋の七草のひとつ。夏から初秋にかけて咲く紫紅色の花を可憐に咲かせます。
万葉集など幾多の詩歌で詠まれていることから葛は古来より人々の生活に密着したものとして親しまれてきたことが窺えます。その葛根からとれる本葛粉が本格的に和菓子などで使用されるのは、江戸時代中期以降になります。その独特の風味、粘り、透明感を生かして、葛粽(ちまき)や葛饅頭、葛きりなどが庶民の口に親しまれるようになりました。奈良・吉野地方は良い水があることや、寒冷な土地であること、雑木林の山に囲まれていたことなど、葛粉の精製に適した地形を備え、「吉野晒し(よしのざらし)」という伝統の製法でつくられた「吉野本葛」の品質はその優秀さで知られています。そして現在、「吉野本葛」が作り出す豊かな風味と粘り、艶、透明感は和菓子や日本料理界になくてはならないものとなっております。